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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻10号

1993年09月発行

文献概要

今月の主題 胃悪性リンパ腫―診断の変遷 主題症例

RLHとして4年8か月間の経過観察中に遺伝子検索で診断しえた胃MALTリンパ腫の1例

著者: 横田欽一1 奥山修兒1 結城正光1 斉藤裕輔1 真口宏介1 北澤俊治1 綾部時芳1 浦等1 並木正義1 村岡俊一2

所属機関: 1旭川医科大学第3内科 2旭川医科大学病理

ページ範囲:P.1101 - P.1108

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要旨 患者は66歳の女性.胃RLHとして4年8か月間経過観察中,10回目の生検で“リンパ腫も否定できず”と診断され,精査のため入院した.病変は,胃体下部大彎を中心とする広範な顆粒状変化と再発を繰り返す多発潰瘍であった.生検の生材料を用いたSouthern blot法によるIgH遺伝子再構成の検索で,JH鎖のmonoclona1な再構成バンドが確認され,リンパ腫と診断した.病理組織学的には,一部でpmに浸潤するB細胞性(IgM,κ,L26陽性)MALTリンパ腫であった.更にパラフィン切片から抽出したDNAのpolymerase chain reaction法による増幅においても,IgH遺伝子のmonoclona1ityが確認された.MALTリンパ腫を念頭に置いた対応が必要であったと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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