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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻11号

1993年10月発行

今月の主題 大腸癌の深達度診断

主題

大腸癌の深達度診断―X線・内視鏡併用の立場から

著者: 渕上忠彦1 平川雅彦1 岩下明徳2 小田秀也1 平川克哉1 堺勇二1 臺丸裕3 松坂俊光4

所属機関: 1松山赤十字病院消化器科 2福岡大学筑紫病院病理 3松山赤十字病院病理 4松山赤十字病院外科

ページ範囲:P.1157 - P.1167

文献概要

要旨 40mm以下の大腸癌382病変と平坦・陥凹型大腸腺腫49病変を対象とし,癌は大きさの増大と共に深達度を増すとの仮定のもとに検討した.腺腫成分の有無を考慮し,肉眼形態別〔Pp型:有茎性隆起,Ps型:無茎性隆起,PD型:周辺隆起を有する陥凹型と中心陥凹を有する隆起型,FD型:周辺隆起を有しない平坦・陥凹型〕にみると大きさと深達度は強い関係を示した.ただし,PD型は大きさの増大と共に急激な浸潤を示すが,同様の形態を呈する微小病変はほぼ全例が腺腫の診断であり,m癌から進行癌への進展がうまく説明できなかった.いずれにしても,肉眼形態別に分け,腺腫成分の有無を考慮すれば,大きさは深達度診断の大きな指標になりうる.更に,Ps型では表面性状,PD型では空気量の変化に伴う周辺隆起の形態変化を加味すれば深達度診断の正診率はより高まると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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