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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻11号

1993年10月発行

文献概要

今月の主題 大腸癌の深達度診断 主題

大腸腫瘍の内視鏡的深達度診断

著者: 長廻紘1 佐藤秀一1 杉山茂樹1 元鍾聲1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター

ページ範囲:P.1169 - P.1182

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要旨 大腸腫瘍の深達度を内視鏡的に診断することが可能かどうか検討した.大腸腫瘍を形態的に有茎性,広基性(6mm以上),表面型,結節集簇型,潰瘍型(20mm以下)の5型に分け,その各々について腺腫,m癌,sm癌の現時点からさかのぼって30個ずつを対象症例とした.結節集簇型にはsm癌はなく,20mm以下の潰瘍型癌18個中4個がsm-massive,他は進行癌であった.したがってこの2者については細かい検討をせず,前3者につき内視鏡的切除が完治とみなしうるsm-s(scanty)癌,sm-m(massive)癌の鑑別の可否を中心に検討した.有茎性ポリープでは頭部の形態(球形,陥凹,平坦~消失)が重要で,陥凹~消失はsm-m癌であった.広基性では大きなものほど深達度が深くなる傾向があった.腺腫,m癌,sm-s癌は10mm以下のものが,進行癌では21mm以上のものが大部分を占めるのに,sm-m癌はあらゆるサイズにわたって認められた.サイズで診断することはできなかった.広基性腫瘍では顆粒状で易出血性ないし癌性びらんの存在がsm-m以上の癌を診断するのに重要であった.sm-m癌に表面平滑なもの,癌性びらんを欠くものが多かったのが注目された.表面型でもサイズは診断上さほど重要ではなく,内視鏡的硬さ,癌性びらんの存在が,sm-m以上の癌を診断する際重要であった

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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