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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻11号

1993年10月発行

文献概要

今月の主題 大腸癌の深達度診断 主題症例 10mm以下の大腸進行癌

径10mmの早期癌類似進行癌(肛門管癌)の1例

著者: 安藤秀彦1 沢田俊夫1 斎藤幸夫1 鈴木公孝1 正木忠彦1 洲之内広紀1 鮫島伸一1 篠崎大1 樋口芳樹1 津野寛和1 坂口正高1 内山雅之1 武藤徹一郎1

所属機関: 1東京大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1224 - P.1226

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要旨 患者は70歳,女性.主訴は排便・排ガス後の出血.1988年末から肛門出血を自覚したが放置していた.1989年3月近医を受診し,肛門部隆起性病変を指摘され当科紹介となった.anal vergeから1.5cm,9°方向に径10mmの,中心に陥凹を有するやや硬い隆起性病変(Ⅱa+Ⅱc)を認め,生検の結果,中分化腺癌であった.超音波内視鏡(EUS)では,肛門管右壁に径約10mmの腫瘤像を認め,pm層への浸潤が疑われた.腫瘍径と年齢を考慮し,肛門機能を温存すべく局所切除を施行したところ,病理組織所見で筋層に達する大きさ10×10mmのpapillotubular adenocarcinomaで,深達度a1,ly(+),v(-)であった.ly(+)であったため根治術の適応と判断し,腹会陰式直腸切断術を追加施行した.腫瘍径の小さい肛門管癌の治療方針決定にEUSは必須の検査法と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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