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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻11号

1993年10月発行

今月の主題 大腸癌の深達度診断

主題症例 10mm以下の大腸進行癌

S状結腸の径8mmのⅡa様ss癌の1例

著者: 平井孝1 加藤知行1 坂本純一1 安井健三1 白井正人2 越川卓3

所属機関: 1愛知県がんセンター消化器外科 2愛知県がんセンター消化器内科 3愛知県がんセンター臨床検査部

ページ範囲:P.1233 - P.1236

文献概要

要旨 患者は38歳,男性.1991年6月,人間ドックにて便潜血反応陽性を指摘された.8月27日,大腸内視鏡でAVから40cmにⅡa様病変を認めたが,生検は高度異型腺腫であったため,10月15日,strip biopsyを施行(大きさ8×7×5mm).その結果,well differentiated adenocarcinoma,core invasion(+),surgical margin(+)であったので11月25日,S状結腸切除術を施行.組織学的には腸管壁に癌遺残を認め,特に脈管侵襲のため,ssの深達度であり,1群リンパ節にも転移を認めた.1年2か月後,肝,腹膜再発を来した.以上,本症例は腫瘍径8mmにもかかわらず,深達度ss,リンパ節転移陽性であったまれなS状結腸癌の1例であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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