icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻11号

1993年10月発行

今月の主題 大腸癌の深達度診断

主題症例 10mm以下の大腸進行癌

長径9mmの直腸pm癌の1例

著者: 高橋慶一1 猪狩亨2 森武生1 高橋孝1 小池盛雄2 田島強3

所属機関: 1東京都立駒込病院外科 2東京都立駒込病院病理科 3東京都立駒込病院内視鏡科

ページ範囲:P.1237 - P.1242

文献概要

要旨 患者は69歳,女性.血便を主訴とし来院.直腸指診で歯状線から5cmに示指頭大の芯のある可動性のやや乏しい隆起性病変を触知.注腸では直腸下部の長径1.5cmのⅠs型の病変で,側面像で弧状変形および腫瘍への粘膜ひだの集中像を認め,深達度SM′と診断.大腸内視鏡でも粘膜ひだの集中を認めるのが特徴的だった.超音波内視鏡では第4層の肥厚および毛羽立ちを認め,深達度PM1′と診断.切除標本では9×9mmの中央がやや陥凹したIs型様の病変で,肉眼的に辺縁は健常粘膜をかぶり粘膜下層に深く浸潤し,PM癌と診断.組織学的にはpmの浅層まで癌が浸潤した中分化腺癌で,n1(+),ly2,v1であった.術前の深達度診断に際して,注腸の側面像だけでなく,粘膜ひだの集中像もpm癌を疑う重要な所見であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら