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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻12号

1993年11月発行

文献概要

今月の主題 消化管ポリポーシス―最近の知見 主題

臨床研究から明らかにしえた家族性大腸腺腫症の病態

著者: 牛尾恭輔1 石堂達也1 中嶋秀麿1 宮川国久1 石川勉1 落合淳志2

所属機関: 1国立がんセンター中央病院放射線診断部 2国立がんセンター研究所病理

ページ範囲:P.1305 - P.1321

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要旨 家族性大腸腺腫症(FAP)は,①常染色体性の優性遺伝を示す,①大腸にびまん性の腺腫(通常,数百~数千個)が発生する,①放置すれば大腸癌を合併する,といった特徴像を示す.また,①その原因遺伝子が5番目の染色体の長腕(5q21~22)にあることが判明し,1991年に単離され,APC遺伝子と名付けられた.本稿では,まず,この疾患における研究の歴史,特に,わが国でなしえた上部消化管や顎骨病の病変,FAPとGardner症候群との異同に関する研究成果を述べた.次いで臨床研究から明らかにしえた本症の病態と本質について,最近の知見を報告した.更に,今後,急速な進歩が期待される本症の遺伝子学的研究の課題について,臨床の立場から述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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