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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻12号

1993年11月発行

Coffee Break

胃疾患症例報告における紹介医の記載について(2)

著者: 髙木國夫1

所属機関: 1林外科病院

ページ範囲:P.1334 - P.1334

文献概要

 症例報告の現病歴についての記載に関しては,症例報告の対象となった病変がどのようにして発見されたか,が最も重要である.これは,病変が症例報告している施設で初めから発見された群(A群)と,近医,某医,あるいは某院で初めにチェックされ,病変の診断がなされ,症例報告をした施設に紹介された群(B群)に大別されよう.

 A群では症例報告に際して問題はない.一方のB群の場合で,症例報告者の中に,紹介医を連名で記載しているかどうかについて,1986年から1990年までの5年間に「胃と腸」に発表された胃疾患の77症例報告を調査した.まず自院発見例と紹介医発見例に大別し,更に紹介医発見例を,紹介医の連名の有無によって亜分類した.そして,紹介された施設を,大学病院,専門施設,病院・医院に分類してみると,Table 1のごとくであった.77症例報告の中で,A群が29例(38%),B群は48例(62%)と,後者が2/3を占めていた.更に,B群で連名の有無の頻度を施設別にみると,病院・医院で連名率が50%(10/20)であって,大学病院では39%(7/18)であり,専門施設では30%(3/10)と最も低かった.紹介医の連名率が,病院・医院,大学病院,次いで専門施設の順に低くなっていたことは,病院と診療所との連携―病診連携のうえで問題があるのではなかろうか.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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