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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻13号

1993年12月発行

文献概要

今月の主題 早期胃癌の内視鏡的根治切除―適応拡大の可能性と限界を探る 序説

早期胃癌の内視鏡的根治切除―適応拡大の可能性と限界を探る

著者: 磨伊正義1

所属機関: 1金沢大学がん研究所外科部門

ページ範囲:P.1419 - P.1420

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 従来,胃癌に対する治療法は,可能な限り根治を目指すという立場から拡大手術が進められてきた.しかしわが国における膨大な手術例の治療成績,合併症や後遺症の検討から,少なくとも早期胃癌に対し,その治療成績が同等であればquality of life(QOL)の観点も踏まえ,より侵襲の少ない治療法を選択するべきであるという考え方が台頭してきた.なかでも高齢者社会を迎え,早期胃癌が増加しつつあるのが実情である.しかし高齢者の中には外科的poor risk症例は決して少なくなく,より安全かつQOLを考慮した治療法の確立が急務である.この時代的ニーズに呼応して既に早期胃癌に対する内視鏡的粘膜切除の手技もほぼ確立し,その適応もわが国の膨大な手術例の検討により一定の適応基準が固まりつつある.しかしその適応拡大に関してはいまだ慎重論が多く,十分論じられていないのが実情である.そこで本特集号では適応拡大の可能性に迫るべき企画がなされた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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