今月の主題 早期胃癌の内視鏡的根治切除―適応拡大の可能性と限界を探る
主題 術後経過からみた早期胃癌内視鏡的根治切除の限界と対策
内視鏡的粘膜切除術で不完全切除となった例に対するレーザー照射の効果と評価方法に対する検討
著者:
嶋尾仁1
横山靖2
三重野寛喜1
榊原譲1
小林伸行1
高橋厚1
横山京子1
小泉和三郎2
西元寺克禮2
比企能樹1
所属機関:
1北里大学東病院消化器疾患治療センター外科
2北里大学東病院消化器疾患治療センター内科
ページ範囲:P.1427 - P.1432
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要旨 粘膜切除術の追加治療としてレーザー照射を施行した30例中,評価可能22例のうち遺残率は4.5%(1/22)で,再発率は14.3%(3/21)であった.適応別にみると,遺残率は絶対的適応群0%(0/11),相対的適応群9.1%(1/11),また再発率は絶対群で9.1%(1/ll),相対群で20.0%(2/10)であった.肉眼型別では遺残率は隆起,陥凹ともなく,混合50.0%(2/4)で,再発率は隆起13.3%(2/15),陥凹20.0%(1/5),混合0%(0/1)であった.深達度別では遺残率はmO%,sm20%,再発率はm5.9%,sm50.0%,組織型では遺残率,再発率は分化型5.6%,5.9%,未分化型0%,50.0%であった.今後の長期にわたる詳細な経過観察と,より多数の症例の集積が必要である.