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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻13号

1993年12月発行

文献概要

症例

A型胃炎を伴わない多発性胃カルチノイドの1例

著者: 海崎泰治1 細川治1 津田昇志1 小西二三男2 山崎信2 渡辺国重2 山道昇1 藤田博明3

所属機関: 1福井県立病院外科 2金沢医科大学病理 3藤田病院

ページ範囲:P.1477 - P.1482

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要旨 A型胃炎を伴わない多発性胃カルチノイドの1例を報告した.患者は42歳,男性.胃集団検診で発見され,手術目的で当科に紹介された.胃X線検査,胃内視鏡検査では胃角部小彎に線状潰瘍瘢痕を認めるが,カルチノイドとしての描出は困難であった.摘出標本の組織学的検索では胃中部の線状潰瘍瘢痕の口側に,腺境界に沿って最大2mm径のカルチノイドが24個多発していた.胃底腺の萎縮は軽度で,いわゆるA型胃炎ではなかった.従来報告されているA型胃炎合併多発性胃カルチノイドでは高ガストリン血症のtrophic actionがカルチノイド発生に関与していることが示唆されている.しかし本例は多発性胃カルチノイドでありながらA型胃炎を伴わず,カルチノイドの配列にも特徴が認められ,貴重な症例と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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