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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻13号

1993年12月発行

症例

早期胃膠様腺癌の1例

著者: 近藤祐一郎1 江尻豊1 石川秀雅1 小原勝敏1 桑名俊光1 大柳裕登1 坂充1 西間木友衛1 粕川禮司1 三浦憲二2

所属機関: 1福島県立医科大学第2内科 2みうらクリニック

ページ範囲:P.1491 - P.1496

文献概要

要旨 患者は61歳,男性.1992年2月胃精密検査のため紹介された.胃内視鏡検査および胃X線検査で,胃前庭部前壁に表面に不整な多発びらんを伴う軽度の隆起性病変を認めた.腫瘍の辺縁は粘膜下腫瘍の形態を示していた.前庭部のびらん部からの生検で膠様腺癌の所見が得られた.1992年4月16日,胃亜全摘術が施行された.病理組織学的には胃膠様腺癌で癌細胞は粘膜下層までに限局していた.腫瘍は粘膜下層に主座を持ち,同部に多量に浸潤していた.本症例においては7か月前に内視鏡検査が行われており,胃前庭部にびらん性胃炎の所見が認められた.胃膠様腺癌は深部に浸潤した場合,粘液産生能を獲得すると言われている.早期胃膠様腺癌はまれな胃癌で,ときに特異な形態を示すことがあり,貴重な症例と考え報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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