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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻13号

1993年12月発行

文献概要

症例

全消化管にmultiple lymphomatous polyposis of the gastrointestinal tract様病変を認めた全身性悪性リンパ腫の1例

著者: 前田和弘1 岡田光男1 森岡英次1 久野修資1 脇山哲史1 村山寛2 中村裕一3 井廻宏1 山田豊1

所属機関: 1福岡大学医学部第1内科 2福岡大学医学部第1病理 3中村胃腸科医院

ページ範囲:P.1503 - P.1509

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要旨 患者は61歳,男性.食欲不振,下痢を主訴として来院.入院時に頸部,腋窩,鼠径部に小指頭大のリンパ節を触知した.消化管X線・内視鏡検査で,食道,胃,十二指腸,小腸に顆粒状から結節状の隆起性病変を認め,回腸末端では粗大結節状を呈していた.また,大腸には1か所の粘膜下腫瘍様病変と中心陥凹を伴うアフタ様病変が多発していた.食道,胃,回腸末端,大腸の各々からの生検病理組織標本で,非Hodgkin悪性リンパ腫,びまん性中細胞型,B細胞型と診断された.また末梢血に異型リンパ球を認め白血化した全身性悪性リンパ腫の消化管病変と考えられた.化学療法で隆起性病変はいったん軽快した.本症例の消化管病変はmultiple lymphomatous polyposis(MLP)of the gastrointestinal tractの形態を呈していた.食道病変を生前に診断しえた報告はまれであった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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