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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻2号

1993年02月発行

文献概要

今月の主題 内視鏡的食道粘膜切除術 主題

早期食道癌に対する内視鏡的粘膜切除の実際―EMRTとEMRC

著者: 井上晴洋1 竹下公矢1 長浜雄志1 大島昌宏1 永井鑑1 河野辰幸1 滝口透1 吉野邦英1 遠藤光夫1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部第1外科

ページ範囲:P.161 - P.169

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要旨 食道の上皮内癌および粘膜癌に対する内視鏡的粘膜切除術として,1989年より透明オーバーチューブを用いる方法(EMRT)を実施し,1992年より透明プラスチックキャップを用いる方法(EMRC)を導入した.現在まで9例(EMRT8例,EMRC1例)に施行し,いずれも特記すべき合併症なく病変を切除しえた.最長3年の観察では明らかな再発の兆候を認めていない.1回の切除量は長径約2cm前後であるが,反復切除により半周以上の切除も容易であった.経口摂取は1,2日後より可能であり,形成された潰瘍も約1か月以内に完治した.本法は侵襲も少なく安全性も高いことから,その適応が遵守されれば早期食道癌に対する有効な治療法の1つになりうると共に,ヨード不染部に対する完全生検の手段としても有用であると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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