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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻2号

1993年02月発行

文献概要

症例

胃・十二指腸に連続性に浸潤した深達度mの早期癌の1例

著者: 加藤俊夫1 吉村平2 伊藤佳之1 西脇寛1 竹内謙二1 福浦竜樹1 竹内敏明3 石倉紀夫3 太田昌親4 山本隆行5 多田豊治5

所属機関: 1遠山病院外科 2三重大学医学部検査医学 3遠山病院内科 4遠山病院臨床検査部 5三重大学医学部第2外科

ページ範囲:P.195 - P.201

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要旨 患者は63歳の女性で上腹部不快感を訴えて来院した.胃X線および内視鏡検査所見から,幽門前部に全周性の,軽い結節状隆起や不整な陥凹の混在した粗糙な粘膜の拡がりと十二指腸球部のⅡa集籏様の隆起性病変を認めた.生検結果から,十二指腸腺腫を伴った幽門部早期胃癌と術前に診断したが,切除標本の検索で,胃・十二指腸に連続性に発育した深達度mの高分化型腺癌と診断された.癌の浸潤範囲は6.8×3.8cmで,十二指腸側の浸潤距離はBrunner腺出現部から16mmであった.癌は十二指腸側では異型の程度が弱く,胃側では一部に低分化腺癌を混じていた.早期癌の胃・十二指腸にまたがる浸潤は極めてまれであり,文献的考察を加えて報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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