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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻2号

1993年02月発行

文献概要

症例

alpha-fetoprotein産生早期胃癌の1例

著者: 栗田啓1 高嶋成光1 多幾山渉1 神野健次2 万代光一3

所属機関: 1国立病院四国がんセンター外科 2国立病院四国がんセンター内科 3国立病院四国がんセンター病理

ページ範囲:P.203 - P.207

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要旨 患者は61歳の男性.症状はなく,健康診断により胃の潰瘍性病変を発見された.術前検査にて,血清alpha-fetoprotein(以下AFP)が51.2ng/mlと高値を呈していた.肝機能検査上,異常は認められなかった.胃癌の診断のもと,胃切除が施行された.病変は,幽門前庭部小彎のⅡa+Ⅱc型早期胃癌(sm)で,低分化腺癌であり,胎児性癌に類似した部分も見られた.肝転移,腹膜播種,リンパ節転移は認めなかった.免疫組織化学的検査にて,AFPが腫瘍細胞内に証明された.術後,AFPは正常域に復し,1年6か月後も再発の所見なく健在である.AFP産生胃癌の報告は多いが,早期胃癌は非常にまれと思われ,報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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