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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻2号

1993年02月発行

文献概要

症例

5年間経過をみたⅡa+Ⅱc型大腸癌の1例

著者: 佐々木伸一1 前納健二1 藤谷幹浩1 下田忠和2 池上雅博2 鶴丸昌彦3 海上雅光4

所属機関: 1早期胃癌検診協会 2東京慈恵会医科大学病理 3虎の門病院消化器外科 4虎の門病院病理

ページ範囲:P.215 - P.223

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要旨 患者は64歳,男性.下腹部痛のため注腸X線検査を施行し,下行結腸中部に径5mmの中心陥凹を疑わせる隆起性病変を認めた.内視鏡検査でも中心陥凹をみる平盤状隆起を確認し,生検したところ診断は中等度異型の腺腫とされた.注腸検査,内視鏡検査で経過をみていたところ,隆起も中心陥凹も,共に著しく大きくなり,ひだ集中も著明になったので,浸潤癌を強く疑い,下行結腸切除を行った.切除標本では,粘膜ひだ集中を伴うⅡa+Ⅱc病変であり,組織学的には,腺腫成分を認めないsmに中等度浸潤する高分化腺癌であった.また,生検組織を詳細に見直すと高度異型腺腫(境界領域病変)と考えられ,異型の極めて低い病変が短期間に粘膜下浸潤を来したと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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