icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻2号

1993年02月発行

文献概要

症例

Barrett食道に発生した食道表在腺癌の1例

著者: 玉井拙夫1 多羅尾和郎1 伊藤義彦1 大川伸一1 幾世橋篤1 高木精一1 本橋修1 佐野秀弥1 小泉博義2 南出純二2 亀田陽一3 飯田萬一3

所属機関: 1神奈川県立がんセンター消化器内科 2神奈川県立がんセンター外科1科 3神奈川県立がんセンター病理

ページ範囲:P.225 - P.230

文献購入ページに移動
要旨 患者は54歳,女性で,数年前,他院にて内視鏡検査を施行され食道裂孔ヘルニアと診断された.今回は継続する胸やけを主訴に胃X線検査を施行され,胸部下部食道(Ei)後壁寄りに結節状および顆粒状小隆起の集籏した病変を指摘され,当院に紹介された.食道内視鏡では上切歯列より35~41cmの部位に全周性に発赤した毛細血管網を透見しうるビロード状粘膜を認め,その後壁を中心にほぼ半周にわたり周辺粘膜より更に発赤の強い,周辺にびらんを伴う凹凸不整な隆起病変を認め,滑脱型食道裂孔ヘルニアを伴うBarrett食道に発生した深達度sm,0-Ⅰ+Ⅱa型の食道腺癌と診断した.組織学的には中分化型管状腺癌,深達度sm,n0,ly(+)であった.本邦におけるBarrett食道に発生した表在型腺癌の報告例15例につき検討を加え報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?