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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻3号

1993年02月発行

文献概要

特集 早期胃癌1993 主題 Ⅱ.治療のための精密検査

早期胃癌治療のための精密検査―深達度を読む

著者: 長南明道1 望月福治1 池田卓1 藤田直孝1 松永厚生1 安藤正夫1 結城豊彦1 佐藤自伸1 富永現1

所属機関: 1仙台市医療センター消化器内科

ページ範囲:P.57 - P.71

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要旨 内視鏡的治療を念頭において,mかsm以深かに絞って,深達度診断能を検討し,以下の結論を得た.(1)隆起型早期胃癌においてX線では隆起頂上の陥凹が,内視鏡では隆起頂上の陥凹および白苔付着と健常粘膜に覆われた粘膜下腫瘍様の立ち上がりがsm以深浸潤の重要な指標であった.EUSでは第3層の画然とした断裂が指標となったが,粘膜筋板が挙上するものではsm浸潤の診断が困難であった.(2)Ul(-)陥凹型早期胃癌においてX線では強い透亮像に囲まれた深い陥凹が,内視鏡では健常粘膜に覆われた周園隆起と白苔を有する陥凹がsm以深浸潤の指標であった.EUSでは第3層の画然とした断裂がsm浸潤の指標となった.(3)Ul(+)陥凹型早期胃癌においてX線では粘膜ひだ先端の太まり・癒合,周囲透亮,辺縁の画然とした硬化像が,内視鏡では粘膜ひだ先端の太まり・癒合,周囲隆起,台状挙上,陥凹面の硬化像がsm以深浸潤の指標となった.EUSでは胃内外への壁肥厚がsm浸潤の指標であった.しかし,開放性潰瘍合併例においてはいずれの検査法においても診断が困難であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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