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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻3号

1993年02月発行

文献概要

特集 早期胃癌1993 主題 Ⅱ.治療のための精密検査

早期胃癌治療のための精密検査―浸潤範囲を読む

著者: 細井董三1 西澤護1 岡田利邦1 志賀俊明1 大倉康男1 斉藤雄介1 北野伸浩1 松下郁雄1 金子弥樹1 長浜隆司1 松浦直孝1

所属機関: 1東京都がん検診センター

ページ範囲:P.73 - P.86

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要旨 ①早期胃癌の治療法の選択に当たり,浸潤範囲の診断が特に重要となる場合について,主にX線診断の立場から検討した.①噴門部および胃体上部の癌では,下部食道への浸潤の有無とその範囲の証明が不可欠であり,撮影法としては右側臥位ないし半臥位第2斜位と立位正面ないし第1斜位の二重造影像が有効である.①胃体部の癌はEGJからの距離によって術式が全摘か部分切除かが決定され,それによって術後の quality of life が大きく影響される.したがって,胃体部では病変の口側境界の診断は特に重要となるが,その証明には背臥位二重造影像が優れており,EGJからの距離の計測には立位の胃上部二重造影像が必要である.①内視鏡的粘膜切除の適応を決める際に未分化型癌,特にその隆起型病変は周囲粘膜への浸潤に注意する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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