文献詳細
特集 早期胃癌1993
主題 Ⅲ.治療の選択と考え方 B.早期胃癌の外科的治療
文献概要
要旨 早期胃癌の治療は,近年癌の進行度に応じた治療法が検討され,変革期を迎えている.早期胃癌の1cm前後のⅡa,Ⅱcに内視鏡的切除(ER)が行われ,他方,早期胃癌に対する各種の縮小手術の適応は,多くはERの適応に含まれるものであって,ERの適応外の2~3cmのⅡa,Ⅱcに対しては,ERの組織学的深達度診断のうえに立つ胃局所切除を提示した.早期胃癌の治療の適応を,Ⅱa(分化型腺癌)では,2cm以下はER,Ⅱcでは分化型癌,未分化型癌を問わず,1cm以下はER,2~3cmの症例では,ERの深達度がm,sm(+)であれば,組織型を問わず局所切除の適応で,ERでsm(++)の症例では,大きさを問わず,胃切除の適応であろう.ERによる癌遺残例に対しても,ERの組織学的深達度がm,sm(+)であれば,胃切除でなく積極的に胃局所切除を行うべきである.
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