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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻4号

1993年03月発行

文献概要

今月の主題 難治性胃潰瘍(2)臨床経過と難治化の要因 主題 Ⅰ.難治性胃潰瘍の経過

難治性胃潰瘍の経過―8週以降の経過

著者: 芳野純治1 中澤三郎1 若林貴夫1 渡辺量巳1

所属機関: 1藤田保健衛生大学第2病院内科

ページ範囲:P.263 - P.269

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要旨 治療開始8週後の難治性胃潰瘍の内視鏡像は,多くは潰瘍部が周囲の健常粘膜よりわずかに陥凹し,再生上皮に広く覆われた面から成り,その中央に小さな白苔を有する像を呈した.再生上皮の形態は当初紡錘状を呈するが治療を継続することにより白苔の消失の有無にかかわらず敷石状に変化した.ステレオ式電子内視鏡による計測では,難治性潰瘍は潰瘍の収縮が悪く,8週後にも治療によっても白苔とそれをとりまく再生上皮の面積の広い例が多く認められた.また,1日における再生上皮の平均進展距離を算出すると,難治性潰瘍では有意に不良であった.しかし,プロトンポンプ阻害薬による治療では再生上皮の進展距離が有意に長く,難治性潰瘍の変貌の一因と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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