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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻4号

1993年03月発行

文献概要

今月の主題 難治性胃潰瘍(2)臨床経過と難治化の要因 主題症例

種々のH2受容体拮抗剤に抵抗し,proton pump inhibitorでは再発を繰り返した難治・再発性胃潰瘍の1例

著者: 原田容治1 斉藤利彦2

所属機関: 1戸田中央総合病院消化器内科 2東京医科大学第4内科

ページ範囲:P.345 - P.350

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要旨 患者は59歳,男性,会社員.1980年より12年にわたり,4種類のH2受容体拮抗剤に抵抗し,proton pump inhibitor(PPI)で治癒を認めたものの,容易に再発を繰り返した典型的な難治・再発潰瘍の1例である.本症例の内視鏡,X線検査での形態学的特徴は,①活動期での憩室様の深掘れ潰瘍と周辺の不整と隆起,②瘢痕期での線状瘢痕と潰瘍底の隆起,周辺粘膜の一部陥凹を伴う凹凸不整が挙げられる.Helicobacter pyloriの持続感染はなく,血中gastrin値あるいは心身症の立場からも難治性潰瘍の病因は見出せなかった.今後新たな立場からの検討が必要であると共に外科的治療の選択も残された問題である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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