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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻4号

1993年03月発行

文献概要

今月の主題 難治性胃潰瘍(2)臨床経過と難治化の要因 主題症例

慢性関節リウマチに合併した難治性胃潰瘍の1例―13年間の長期観察例

著者: 岡山直司1 伊藤誠1 横山善文1 春日井邦夫1 武内俊彦1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部第1内科

ページ範囲:P.357 - P.362

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要旨 患者は59歳,女性.30歳時より慢性関節リウマチ(RA)に罹患し,非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDs)を長期間内服していた.46歳時に吐血,胃内視鏡にて幽門前庭部に潰瘍を認めた.NSAIDs内服を坐薬に変更し,抗潰瘍剤を投与したところ約4か月で瘢痕化した.しかし,48歳時に同部に胃潰瘍再発,H2ブロッカーを中心とした抗潰瘍剤で治療し,3か月~2年間隔で胃内視鏡にて経過観察したが,下掘れ潰瘍を形成し11年を経過した現在も潰瘍は治癒していない.この間NSAIDsの経口および直腸内投与は継続されていた.本症例の胃潰瘍難治化の要因として,NSAIDsの投与,およびRAに伴う胃壁のmicroangitisによる胃粘膜防御因子の低下が考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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