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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻5号

1993年04月発行

文献概要

今月の主題 腸管アフタ様病変 主題

腸管アフタ様病変の鑑別―内視鏡を中心に

著者: 多田正大1 藤田欣也1 伊藤義幸1 柴峠光成1 菅田信之1 清水誠治1 大塚弘友1 磯彰格1 杉本鏞正1 渡辺能行2 川井啓市2

所属機関: 1京都第一赤十字病院第2内科 2京都府立医科大学公衆衛生

ページ範囲:P.411 - P.418

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要旨 各種炎症性腸疾患の腸管粘膜にみられるアフタ様病変の形態を大別すると,Ⅰ群からⅣ群までに内視鏡分類された.このような病変は潰瘍性大腸炎では2.6%,Crohn病77.4%,単純性潰瘍80%,キャンピロバクター腸炎20%,出血性腸炎9.5%,偽膜性腸炎40%にみられ,腸管Behoet病と腸結核,アメーバ赤痢,エルシニア腸炎では全例にみられた.病変の出現した病期をみると,急性期ないし初期,活動期にみられたが,無症状となった時期や炎症の回復期でも確認されることがあった.Crohn病と単純性潰瘍の病変は難治性であり,長期間の経過観察においても形態の変化は少なかったが,他疾患ではすべて消失した.発生部位も疾患別に特徴的であった.したがって,その形態や発生部位,時間的推移などに注目すれば,アフタ様病変からみた各種炎症性腸疾患の鑑別診断は難しくないことが強調された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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