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今月の主題 腸管アフタ様病変 主題
腸管アフタ様病変の鑑別―大腸の急性炎症を中心に
著者: 林繁和1
所属機関: 1名古屋擁済会病院消化器科
ページ範囲:P.419 - P.428
文献購入ページに移動要旨 急性炎症における大腸のアフタ様病変の特徴を薬剤性大腸炎38例,感染性腸炎13例,原因不明な腸炎22例を対象として検討した.女性に多く,30歳代で好発したが薬剤性では高年齢層にもかなりみられた.X線検査では約半数に小透亮像を認めるにすぎず,診断には内視鏡検査が有用であった.内視鏡的には,病変は薬剤性および原因不明例では円ないし類円形,細菌性では不整形のことが多く,薬剤性では細菌性および原因不明例に比し密在し,紅量の発赤が高度という傾向がみられたが,確定診断には薬剤投与歴や細菌学的所見が重要であった.原因不明例ではCrohn病などの炎症性腸疾患と鑑別するために,治癒するか確診がつくまで経過を追う必要がある.
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