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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻5号

1993年04月発行

文献概要

今月の主題 腸管アフタ様病変 主題症例

アフタ性病変を伴ったキャンピロバクター腸炎の1例

著者: 竹本達哉1 平嶋正直1 松川正明1 五月女隆1 菊地和人1 柴沼理1 中村裕之1 伝田和美1 山本亘1 山崎瑞樹1 遠藤済1 山崎武志1 千葉俊哉1 吉田泰子1 由崎直人1 池上為一1 栗原稔1 鈴木孝2

所属機関: 1昭和大学附属豊洲病院消化器科 2昭和大学附属豊洲病院病理

ページ範囲:P.445 - P.449

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要旨 患者は左下腹部痛,水様性下痢便,下血を主訴に来院した21歳の男性.大腸内視鏡検査で直腸から脾彎曲部にかけて,広範囲に発赤したアフタ様のびらんがあり,回盲弁上に浅い潰瘍を認めた.注腸X線検査では,直腸から脾彎曲部にかけて小バリウム斑と淡い小円形陰影の多発があり,アフタ様びらんの多発した所見だった.全結腸にかけて網目像を認め,粘膜の粗槌化や偽ポリポーシスの所見はなく,潰瘍性大腸炎は否定的で,感染性腸炎,特にキャンピロバクター腸炎が疑われた,便培養の結果,Campylobacter jejuniiが陽性で,オフロキサシン600mg/日の服用で症状は軽快した.感染性腸炎の診断でも,大腸内視鏡検査,注腸X線検査を行うことにより,便培養の結果が判明する前に十分に疑診を得られる症例もあると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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