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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻5号

1993年04月発行

文献概要

今月の主題 腸管アフタ様病変 主題症例

薬剤性アフタ性大腸炎の1例

著者: 大井秀久1 西俣寛人1 新原亨1 仁王辰幸1 寺田芳一1 中間美保1 村岡敏宏1 島岡俊治1 南寛之1 仲淳一郎1 武三津彦1 西俣嘉人1 有馬暉勝1

所属機関: 1鹿児島大学医学部第2内科

ページ範囲:P.451 - P.456

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要旨 患者は39歳の女性で,主訴は下痢.1990年12月発熱,咳噺が出現し,解熱鎮痛剤などの投与を受けたが症状が改善せず,4日間抗生剤の投与を受けた.症状は改善したが,2週間後より下痢が出現したため,紹介入院となった.入院時の内視鏡像で下行結腸に多発散在性にアフタ様びらんを認め,一部縦走方向に並んでいた.注腸X線像では下行結腸に多発散在性にbariu fleck,transverse ridging,管状狭小がみられ,横行結腸脾彎曲側のhaustraの消失を,下行結腸下部には縦走潰瘍瘢痕を認めた.以上,アフタ様びらん以外にも病変の既往が示唆され,びらんは,薬剤による腸管の虚血性変化の後の生体反応である可能性が考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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