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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻5号

1993年04月発行

文献概要

今月の主題 腸管アフタ様病変 主題症例

アフタ様病変を伴った多発性単純性潰瘍の1例

著者: 山口正康1 伊藤信市1 林俊一1 姉崎一弥1 船越和博1 坂内均1 吉田英毅1 内藤彰1 原田篤1 夏井正明1 朴鐘千1 成澤林太郎1 朝倉均1 太田玉紀2

所属機関: 1新潟大学医学部第3内科 2新潟大学医学部第1病理

ページ範囲:P.457 - P.462

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要旨 患者は41歳,男性,検診の便潜血陽性の精査にて来院.大腸内視鏡検査で,上行結腸に多発する大きな潰瘍と潰瘍瘢痕を認め,腸結核を疑われた.約1年半後の大腸内視鏡検査で,上行結腸に深掘れの打ち抜き様潰瘍があり,回盲部にも小さい円形打ち抜き様潰瘍がみられた.全大腸にはアフタ様病変が散在していた.多発性の単純性潰瘍と診断して栄養療法を開始し,1か月後にはアフタ様病変は消失し,右側結腸の潰瘍は著明に縮小したが,2か月後には小腸にアフタ様病変が出現した.本症例はアフタ性口内炎がみられたものの,Behcet病の診断基準にみられる症状は出現せず,現時点では多発性の単純性潰瘍として経過観察中である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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