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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻5号

1993年04月発行

文献概要

症例

著明なinflammatory polypを伴った逆流性食道炎の1例

著者: 有馬美知子1 神津照雄1 一瀬雅典1 原田昇1 二宮栄一郎1 吉村清司1 山田英夫1 小出義雄1 磯野可一1

所属機関: 1千葉大学医学部第2外科

ページ範囲:P.471 - P.477

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要旨 患者は66歳,男性で,胃潰瘍の経過観察中に食事のつかえ感が出現.X線・内視鏡検査で中下部食道に多数のpolypoid lesionが認められ,病変口側では地図状びらんを伴っていた.ヨード染色では隆起性病変は不染,口側のびらん部分にけばだった濃染像を認めた.生検組織は炎症細胞浸潤を伴う肉芽組織で,逆流性食道炎に伴った著明な炎症性変化と診断し,プロトンポンプインヒビター(PPI)を投与したところ,granuiomaは消失しSC junction直上に1.5cm大のポリープを認めるのみとなった.病理組織像は重層扁平

上皮に覆われた線維化を伴うinflammatory polypであった.本症例は逆流性食道炎のうち隆起肥厚型に含まれる病変と考えられるが,検索した限りでは類似した症例の報告はなく極めてまれな症例と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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