文献詳細
今月の主題 大腸腫瘍切除後の経過追跡
主題
文献概要
要旨 サーベイランスを施行した111例,延べ551回の全大腸内視鏡検査(1972~1991年)を対象として,異時性大腸癌,大腸腺腫の発生とその期間について検討を加えた.異時性大腸癌の発生はG2腺腫から2例3病変,G3腺腫とG4腺腫(m癌)から各1例の合計4例(3.6%)5病変で認められ,その期間は平均3.4年であった.また頻度はG2腺腫で低く(2.7%),G3腺腫(5.3%),m癌(6.7%)でやや高かった.経過が2年未満で異時性腺腫が発生する頻度は極めて低く(7.7%),4年未満では46.7%で出現し,4年以上では70%以上で発生した.いったん消失してから第2の腺腫が発生するまでの期間は3年10か月±2年4か月であり,通常の腺腫摘除後には3~4年に1回のサーベイランスを施行すればよいことがわかった.
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