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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻6号

1993年05月発行

文献概要

今月の主題 大腸腫瘍切除後の経過追跡 主題

大腸ポリペクトミー後の局所再発病変の特徴

著者: 石川勉1 牛尾恭輔1 宮川国久1 中嶋秀磨1 横田敏弘2 小野裕之2 斉藤大三2 森谷冝晧3 杉原健一3 赤須孝之3 落合淳志4

所属機関: 1国立がんセンター中央病院放射線診断部 2国立がんセンター中央病院内視鏡部 3国立がんセンター中央病院外科 4国立がんセンター中央病院研究所病理部

ページ範囲:P.511 - P.522

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要旨 最近の10年間に国立がんセンターで大腸ポリペクトミー後,局所再発を来した10症例11病変を対象に,再発病変の肉眼的・組織学的特徴について検討した.対象症例の初回ポリペクトミー時の組織学的所見は腺腫4病変,腺腫内癌5病変,sm癌2病変であった.腺腫と腺腫内癌症例のポリペクトミー前と再発時の肉眼形態的推移をみると,ポリペクトミー前Ⅰp型の5病変は再発時にはⅠp型2例,Ⅰs型,Ⅱa型と結節集籏型の各1例へと変化していた.その他のポリペクトミー前Ⅰs型の2例はⅠs型とⅡa型の各1例に,Ⅱa型の1例はⅡa型に,結節集籏型の1例は小結節に変化し,再発病変では背が低くなる傾向が認められた.また,9病変中4病変にひだの集中や潰瘍搬痕像を認め,ポリペクトミー後の再発像の特徴と考えられた.組織学的変化をみると,初回ポリペクトミー時に腺腫であった4病変は腺腫2病変,腺腫内癌2病変に推移し,腺腫内癌5病変は腺腫4病変,腺腫内癌1病変へと変化していたが,sm癌や進行癌などの浸潤癌に変化したものは認められなかった.sm癌2症例ではポリペクトミー後の経過観察中,2例とも粘膜面に異常所見を認めない時期が存在した後,6か月後と7か月後に進行癌像として認められた.また,1例ではポリペクトミー部位近傍にリンパ節転移が粘膜下腫瘍像として認められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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