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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻6号

1993年05月発行

文献概要

今月の主題 大腸腫瘍切除後の経過追跡 主題

術後残存腸管は癌のリスクファクターか―異時性多発病変を中心として

著者: 小泉浩一1 坂谷新1 甲斐俊吉1 石橋智子1 加来幸生1 丸山雅一1 太田博俊2 上野雅資2 関誠2 畦倉薫2 濱嶋ちさと3 柳沢昭夫4 加藤洋4

所属機関: 1癌研究会附属病院内科 2癌研究会附属病院外科 3癌研究会附属病院検診センター 4癌研究所病理部

ページ範囲:P.541 - P.551

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要旨 過去11年間(1981~1991年)に癌研究会附属病院で切除した大腸癌術後患者の残存腸管のサーベイランス結果に基づいて,腫瘍性病変の発見率とリスクファクターを検討した.489例(36.0%)が内視鏡によるサーベイランスを受け,110例(22.5%)に腺腫,32例(6.5%)に癌が発見された.癌を発見した32例中10例は局所再発ないし播種性病変と判断され,7例は同時性多発癌と判断され,15例が異時性多発癌と考えられた.手術時腺腫合併例での腺腫,癌の発見率はそれぞれ37.5%,8.2%で,非合併例では,それぞれ15.4%,2.7%だった.大腸癌の家族歴や,他臓器癌の既往も異時性多発病変のハイリスクと考えられた.また,腺腫を合併しない症例のサーベイランスで,早期に進行癌で発見される症例があり,rapid growing typeの大腸癌の存在が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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