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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻6号

1993年05月発行

文献概要

今月の主題 大腸腫瘍切除後の経過追跡 主題研究

10mm以下の大腸隆起型(無茎性,亜有茎性)腺腫の経過観察例の検討

著者: 志賀俊明1 西澤護1 細井董三1 岡田利邦1 大倉康男1 斉藤雄介1 北野伸浩1 松下郁雄1 金子弥樹1 長浜隆司1 松浦直孝1 牧野哲也1 大村秀俊1

所属機関: 1東京都がん検診センター

ページ範囲:P.553 - P.558

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要旨 初回内視鏡検査での生検にて腺腫と診断された,10mm以下の無茎性,亜有茎性の隆起型大腸腺腫(以下,大腸隆起型腺腫と略す)99例105病変について,2年~10年1か月(平均4年1か月)の経過観察を行い,以下のような結果を得た.①10mm以下の大腸隆起型(半球状)腺腫について,平均観察期間4年1か月では形態変化を伴う著しい増大は認めず,増大病変のほとんどは軽度(2~3mm)の増大であった.②10mm以下の大腸隆起型腺腫に対する積極的なポリペクトミーは,大腸癌を減少させるためにさほど有効に作用していないだろうと推定された.③腺腫か癌かの生検による病理診断が十分に確立していない現状では,10mm以下の大腸隆起型腺腫に対する処置は,一定期間経過観察を行い,大きさや形態の変化を認めた時点でポリペクトミーなどを考慮してもよいのではないかと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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