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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻6号

1993年05月発行

文献概要

症例

食道胃接合部に発生したpseudomalignant erosionの4例

著者: 髙崎英己1 加島健司2 市川弘城3 佐藤博2 児玉雅明2 横山繁生3 内田雄三1 中山巌2

所属機関: 1大分医科大学第2外科 2大分医科大学第1病理 3大分医科大学臨床検査

ページ範囲:P.593 - P.596

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要旨 食道胃接合部に発生したpseudomalignant erosionの4例を報告した.全例とも自覚症状に乏しく,検診にて消化管造影あるいは内視鏡検査によって発見された単発性のポリープであり,生検あるいはpolypectomyが施行された.組織学的には,ポリープの表面を覆う重層扁平上皮の一部がびらん性病変を形成し,同部には炎症細胞浸潤を伴う肉芽組織に加えて,大型の組織球様ないし内皮細胞様の,細胞異型および核分裂像に富む細胞が多数認められた.この異型細胞は免疫組織化学的にはvimentinにのみ陽性を示し,他のマーカーはすべて陰性であった.以上より,pseudomalignant erosionと診断した.6か月~6年4か月経過した現在まで再発を認めていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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