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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻7号

1993年06月発行

文献概要

今月の主題 十二指腸腫瘍 主題症例

巨大Brunner腺腫の1例

著者: 志村英生1 富永雅也2 永井英司3 千々岩一男1 一宮仁1 飯田三雄2 田中雅夫1

所属機関: 1九州大学医学部第1外科 2九州大学医学部第2内科 3九州大学医学部第2病理

ページ範囲:P.671 - P.676

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要旨 患者は76歳,女性.全身倦怠感と胸痛を主訴として近医に入院した.高度の貧血を指摘され,諸検査にて出血性十二指腸腫瘍の診断で当科へ転院した.上部消化管X線および内視鏡検査により球部前壁に基部をもつ6×3cm大の有茎性ポリープと診断された.血管造影では豊富な腫瘍血管が描出され,腹腔鏡でも十二指腸前壁漿膜に拡張した腫瘍血管の集中が観察された.腫瘍の大きさおよび出血の可能性も考慮し,外科的切除を行った.摘出標本は6.5×3×2.5cmの粗大結節状の軟らかい腫瘍で,組織学的に異型のないBrunner腺房の過形成から成っていた.以上から巨大Brunner腺腫と診断した.腺腫基部には血管造影所見に一致する豊富な血管組織が認められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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