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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻7号

1993年06月発行

文献概要

今月の主題 十二指腸腫瘍 主題症例

内視鏡的切除を行った十二指腸球部腺腫内癌の1例

著者: 滝内比呂也1 芦田潔1 平田一郎1 田中雅也1 岡成樹1 梅垣英次1 田橋賢久1 浅田修二1 大柴三郎1

所属機関: 1大阪医科大学第2内科

ページ範囲:P.677 - P.680

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要旨 患者は86歳,女性.他院で十二指腸球部の隆起性病変を指摘され,精査治療目的で当科入院となった.上部消化管X線および内視鏡検査で十二指腸球部上壁に結節状の山田Ⅳ型の隆起性病変が存在した.頂部からの生検では腺腫との診断であったが,focal cancerの存在も否定できず,完全生検目的のため内視鏡的ポリペクトミーを施行し,24×22×20mm大の標本を回収した.病理組織学的には腺腫の一部に高分化腺癌が存在するcancer in adenomaの症例であった.本邦では内視鏡的切除を行った早期十二指腸癌42例中,生検で癌陽性の症例は16例と少なく,完全生検を目的とした内視鏡的ポリペクトミーは第一義的な診断・治療手技として有効であると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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