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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻7号

1993年06月発行

文献概要

今月の主題 十二指腸腫瘍 主題症例

粘液分泌型ポリープと併存した小さなⅡa+Ⅱc様十二指腸球部進行癌(pm癌)の1例

著者: 横田欽一1 斉藤裕輔1 奥山修兒1 結城正光1 真口宏介1 泉信一1 並木正義1 大塚忍2

所属機関: 1旭川医科大学第3内科 2旭川癌検診センター

ページ範囲:P.697 - P.702

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要旨 患者は69歳,男性.胃癌検診をきっかけに十二指腸球部癌が発見された.X線検査では十二指腸球部前壁に径12mmのⅡa+Ⅱc様病変と,径8mmの半球状隆起が並んでいた.内視鏡および生検所見から,前者は深部浸潤型Ⅱa+Ⅱcと診断した.後者は粘膜下腫瘍様で頂点には強固な粘液の付着がみられた.病理組織学的には,前者は10×10mmの陥凹部に主座を持つ乳頭状腺癌で筋層まで浸潤していた.後者は田中らの粘液分泌型ポリープの1型に相当し,PCNA陽性の増殖細胞が粘膜下層から筋層直上に分布していた.本症例の小さな進行癌の成り立ちとして,粘液分泌型ポリープ内腔の増殖帯に癌が生じ,容易に筋層に浸潤した可能性が考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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