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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻7号

1993年06月発行

文献概要

症例

回腸穿孔の既往を有し回腸に潰瘍形成を認めた好酸球性胃腸炎の1例

著者: 富永雅也1 廣田千治1 加来数馬1 中野元1 岡田安浩1 八尾隆史2 飯田三雄3

所属機関: 1福岡赤十字病院内科 2九州大学医学部第2病理 3九州大学医学部第2内科

ページ範囲:P.703 - P.710

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要旨 患者は50歳,男性.下腹部痛,下痢,腹満感,食欲不振,全身倦怠感を主訴として入院.47歳時,腸穿孔で他院において緊急手術,回腸切除の既往歴あり.末梢血白血球数,好酸球数の軽度増加を認めた.経口小腸造影およびゾンデ法小腸造影で下部回腸に約10cmの管腔狭窄,浮腫状に腫大した皺襞およびその口側小腸の拡張を認めた.内視鏡的には浮腫状に腫大蛇行した皺襞上に活動性の小潰瘍を認めた.同部からの生検で粘膜下層に著明な浮腫と好酸球を主体とした炎症細胞浸潤を認めた.前医での回腸切除標本の見直しで好酸球浸潤は腸壁全層に認められ,好酸球性胃腸炎と診断した.中心静脈栄養療法のみで,症状軽快,腫大した皺襞は消失し,潰瘍も瘢痕を残さず治癒した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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