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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻8号

1993年07月発行

文献概要

今月の主題 大腸癌存在診断の実態―m癌を除く 序説

大腸癌の診断とその問題点

著者: 西澤護1

所属機関: 1東京都がん検診センター

ページ範囲:P.743 - P.744

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 筆者が日頃考えていたことが,やっと本号で特集として取り上げられ,これからが大腸癌解明の再出発点になるだろうと考えている.今まで,m癌とかsm癌,pm癌,あるいは大腸癌全体についての特集はあっても,今回のように「m癌を除く大腸癌」というテーマの取り上げ方は,食道,胃を含め,初めてだと思う.それほど大腸m癌と腺腫との鑑別が難しいということであろう.

 m癌なくしてsm以深の癌があるはずはないが,生検よりポリペクトミーや粘膜切除で得られた標本のほうが,病理組織の全貌がつかめ,より正確な診断がつけられるという理由から,極端なことを言えば,すべてのポリープを摘出すべきだという傾向にある.腺腫から癌になるという従来からの学説と,処置が簡単でリスクが少ないこと,それに保険点数が割合よいことなども,その傾向を助長している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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