文献詳細
文献概要
今月の主題 大腸癌存在診断の実態―m癌を除く 序説
大腸癌の診断とその問題点
著者: 西澤護1
所属機関: 1東京都がん検診センター
ページ範囲:P.743 - P.744
文献購入ページに移動 筆者が日頃考えていたことが,やっと本号で特集として取り上げられ,これからが大腸癌解明の再出発点になるだろうと考えている.今まで,m癌とかsm癌,pm癌,あるいは大腸癌全体についての特集はあっても,今回のように「m癌を除く大腸癌」というテーマの取り上げ方は,食道,胃を含め,初めてだと思う.それほど大腸m癌と腺腫との鑑別が難しいということであろう.
m癌なくしてsm以深の癌があるはずはないが,生検よりポリペクトミーや粘膜切除で得られた標本のほうが,病理組織の全貌がつかめ,より正確な診断がつけられるという理由から,極端なことを言えば,すべてのポリープを摘出すべきだという傾向にある.腺腫から癌になるという従来からの学説と,処置が簡単でリスクが少ないこと,それに保険点数が割合よいことなども,その傾向を助長している.
m癌なくしてsm以深の癌があるはずはないが,生検よりポリペクトミーや粘膜切除で得られた標本のほうが,病理組織の全貌がつかめ,より正確な診断がつけられるという理由から,極端なことを言えば,すべてのポリープを摘出すべきだという傾向にある.腺腫から癌になるという従来からの学説と,処置が簡単でリスクが少ないこと,それに保険点数が割合よいことなども,その傾向を助長している.
掲載誌情報