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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻8号

1993年07月発行

今月の主題 大腸癌存在診断の実態―m癌を除く

主題

見落とし大腸癌の検討―注腸造影検査と大腸内視鏡検査を主体に

著者: 五十嵐正広1 勝又伴栄1 内藤吉隆1 西元寺克禮1 工藤康生2 大谷剛正2 三富弘之3 中英男3 小林清典4

所属機関: 1北里大学東病院消化器内科 2北里大学東病院外科 3北里大学東病院病理 4小田原市立病院内科

ページ範囲:P.775 - P.784

文献概要

要旨 1986年以来当科で経験した大腸進行癌525例とsm癌75例を対象に注腸造影検査と大腸内視鏡検査の見逃しにつき検討した.注腸造影によるsm癌と進行癌の見逃し率は,各々6.7%,1.6%であった.見逃しの多い部位は上行結腸とS状結腸であり,造影不十分と腸管の重なりが大きな原因となっていた.上行結腸では圧迫を加えた撮影が大切である.大腸内視鏡検査の見逃しは0.6%あり,全腸管を観察していないことが原因であった.内視鏡で経過観察中発見されたsm癌4例中3例は,Ⅱa+Ⅱc型の表面型癌であり,特にS状結腸で発見の頻度が高い.注腸造影検査,大腸内視鏡検査において早期癌のみならず進行癌の見逃しも皆無ではなく,十分考慮し日常診療を行うことが大切である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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