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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻8号

1993年07月発行

今月の主題 大腸癌存在診断の実態―m癌を除く

主題

大腸癌見逃し例の検討とその対策

著者: 松永厚生1 望月福治1 安藤正夫1 富永現1 藤田直孝1 野田裕1 小林剛1 長南明道1 木村克巳1 渡邊浩光1 結城豊彦1 佐藤自伸1 野村美樹子1 鈴木陽子1 石田一彦1 八子章生1

所属機関: 1仙台市医療センター消化器内科

ページ範囲:P.785 - P.796

文献概要

要旨 当院の初回検査法として行われた注腸X線検査および内視鏡検査によって発見された大腸sm癌,進行癌を対象に,存在診断と見逃し例について検討した.注腸X線検査の見逃し率はsm癌で37%,進行癌で15.4%であった.見逃し例の病変の形態はsm癌ではⅡ型が多かった.進行癌の見逃し例の初回X線像はⅡa型が多く,次いで2型で,それぞれ全体の55%,27%を占めた.部位別にはsm癌では深部結腸に,進行癌では直腸と深部結腸に多かった.見逃しの原因としては読影不十分なものが大半を占めたが,sm癌のⅡ型では病変の指摘が困難なものも多かった.内視鏡検査での見逃し率は8.5%で,見逃し例はⅡa型が多く,上行結腸や直腸のひだの裏側,肝彎曲部や脾彎曲部などの屈曲部にみられた.これらの多くはポリエチレングリコール使用以前のものであった.見逃しの対策は,注腸X線検査では良好な前処置や二重造影,表面型を意識した注意深い読影が重要であり,内視鏡検査では盲点を意識した観察が重要と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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