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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻8号

1993年07月発行

今月の主題 大腸癌存在診断の実態―m癌を除く

主題

大腸壁在癌の存在診断

著者: 松井敏幸1 津田純郎1 北原健二1 竹中国昭1 櫻井俊弘1 佐藤茂1 山道正代1 八尾恒良1 八尾建史2 岩下明徳2 有田正秀3 田中啓二3

所属機関: 1福岡大学筑紫病院消化器科 2福岡大学筑紫病院病理 3福岡市医師会病院成人病センター

ページ範囲:P.798 - P.813

文献概要

要旨 大腸sm癌,pm癌とss(a1)癌を対象にして存在診断に関する検討を行った.sm癌,pm癌の25%は無症状であった.sm癌の約半数は免疫便潜血検査が陰性であり,陽性例の病変最大径は陰性例に比し有意に大きかった.X線検査によるsm癌の存在診断率は初回X線検査群(16例)では62.5%であったが,精密X線検査群(51例)では100%であった.一方,内視鏡検査による存在診断率は初回検査および繰り返し内視鏡検査ともに100%であった.pm癌17例とss(a1)癌55例ではそれぞれ1例ずつX線検査による存在診断不能例があり,全体の初回X線検査存在診断率は88例中80例90.9%であった.X線検査によって存在診断が不可能であった原因は,①読影時の見落とし(8例中6例),②バリウムの付着不良(4例),③右側結腸病変の見落とし(8例中6例)が主であった.以上より,大腸癌存在診断能を向上させるためには,右側結腸の丁寧な検査とX線読影能の向上,前処置の改善が必要で,また全大腸内視鏡検査を頻用することが望ましいと結論した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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