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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻8号

1993年07月発行

文献概要

今月の主題 大腸癌存在診断の実態―m癌を除く 主題

大腸癌の見つけ出し診断―注腸X線検査,全大腸内視鏡検査,S状結腸,内視鏡検査+注腸X線検査の比較

著者: 渕上忠彦1 平川雅彦1 小田秀也1 市丸壽彦1 堺勇二1 平川克也1 矢野祐二1 佐藤智雄1 井廻宏1 飯塚佳彦1 出口大輔1 松坂俊光2

所属機関: 1松山赤十字病院消化器科 2松山赤十字病院外科

ページ範囲:P.815 - P.822

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要旨 当院胃腸センターにてルーチン検査を受け切除されたm癌を除く大腸癌508例526病変の発見過程を分析し,注腸X線検査(BE)と全大腸内視鏡検査(TCF),S状結腸内視鏡検査+注腸X線検査(SCF+BE)の拾い上げ診断能を比較し,大腸ルーチン検査法のあり方を考察した.拾い上げ診断能は,BE97.4%,TCF96.7%,SCF+BE99.6%であった.いずれも早期癌(sm癌)の見逃しはなかった.BEの見逃しは,注意深い読影と撮影法の改善で容易に防げると思われた.また,CFの見逃しは,直腸(Rb)と多発病変に注意し,全大腸を観察すれば容易に防げると思われた.結論的には,各検査法の拾い上げ診断能に優劣はつけ難く,大腸ルーチン検査法の第一選択は,各施設または各自が得意な検査法を選べばよいと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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