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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻9号

1993年08月発行

文献概要

今月の主題 虚血性腸病変の新しい捉え方 主題

虚血性腸病変の病理形態分類―特に肉眼型・病期分類を中心に

著者: 小林正明1 渡辺英伸1 味岡洋一1 堀向文憲2

所属機関: 1新潟大学医学部第1病理 2東京医科大学第4内科

ページ範囲:P.913 - P.925

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要旨 種々の理由で切除された虚血性腸病変358症例(372病変)の病理形態分類を再検討した結果,肉眼型は,①うっ血・出血型,②多発びらん型,③潰瘍型,④壊死型(粘膜壊死型,全層壊死型)に大別され,各肉眼型は,活動期,治癒進行期,治癒期,難治期に病期分類された.また,虚血性腸病変の肉眼形態は発症初期の虚血の程度と虚血の原因によって決定され,特に潰瘍型のうち縦走型は末梢側の血管障害に,輪状型と帯状型は中枢側の血管(動脈)障害に,円~卵円型は末梢側の動脈障害に由来すると推定された.この分類により,観察時点で純形態学的に虚血性腸疾患のすべてが肉眼分類可能で,加えて虚血の程度や病変の時相が表現され,予後や原因の推定が可能である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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