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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻9号

1993年08月発行

文献概要

今月の主題 虚血性腸病変の新しい捉え方 主題症例

直腸に縦走びらんの多発を認めた虚血性大腸炎の1例―縦走びらん多発の意義について

著者: 斉藤裕輔1 垂石正樹1 渡二郎1 綾部時芳1 野村昌史1 廬田知史1 横田欽一1 小原剛1 柴田好1 藤谷幹浩1 並木正義1

所属機関: 1旭川医科大学第3内科

ページ範囲:P.959 - P.966

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要旨 患者は44歳,女性.1日6行の粘血性の下痢,左下腹部痛を主訴に当科を受診.大腸内視鏡検査で横行結腸に線状潰瘍瘢痕と,下行結腸に縦走潰瘍を認め,虚血性大腸炎と診断した.同時に,直腸には,多発する線状の縦走びらんを認めた.更に同様の線状の縦走びらんを認めた8例も合わせて検討すると,この直腸からS状結腸に多発する線状の縦走びらんは虚血性大腸炎の軽微な像と思われた.この所見は若年者にも認められ,2週間から4週間の保存的治療により消失し,また再発例も認めた.直腸からS状結腸に多発する線状の縦走びらんは下血の鑑別診断上念頭に置く必要があると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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