icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻9号

1993年08月発行

文献概要

今月の主題 虚血性腸病変の新しい捉え方 主題症例

著明な静脈の石灰化を伴った静脈硬化症による虚血性腸病変の1例

著者: 帆足俊男1 前田和弘2 松井敏幸1 八尾恒良1 二見喜太郎3 有馬純孝3 岩下明徳4 中武幸一5

所属機関: 1福岡大学筑紫病院消化器科 2福岡大学病院第1内科 3福岡大学筑紫病院外科 4福岡大学筑紫病院病理 5中武内科医院

ページ範囲:P.967 - P.973

文献購入ページに移動
要旨 患者は57歳,男性.2年5か月前から右側腹部痛出現.注腸X線検査で横行結腸から上行結腸にかけて壁の硬化,管腔狭小化および偽憩室様変形を認めた.また,腹部単純X線像で上行結腸に一致して血管の著明な石灰化が存在した.大腸内視鏡検査では横行結腸粘膜に浮腫,発赤が認められ血管透見像は消失していた.また,一部に縦走傾向の潰瘍を有し,管腔は狭小化していた.以上からCrohn病を疑い中心静脈栄養を施行したが症状が消失せず,大腸亜全摘術を施行.病理組織学的所見から,静脈硬化症による虚血性腸病変と診断された.静脈硬化症による虚血性腸病変はまれで貴重な症例と考え報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら