文献詳細
文献概要
今月の主題 表面型大腸腫瘍―肉眼分類を考える 主題 2.微小な腫瘍の肉眼分類について a.内視鏡の立場から
内視鏡の立場からみた表面型大腸腫瘍
著者: 多田正大1
所属機関: 1京都第一赤十字病院第2内科
ページ範囲:P.57 - P.59
文献購入ページに移動形態分類は内視鏡所見に基づくべきであるとする根拠
表面型(Ⅱ型)大腸腫瘍の形態分類を明確にしておかなければならない理由は2つある.第1は,このような病変に対する内視鏡治療の適応を決めるうえで,一定の尺度が必要であること,第2は,類似した病変も含めて,その組織発生の解明にも繋がる分類を作成しておかなければならないためである.特に,前者の目的に沿うためには,治療後に実体顕微鏡やルーペ組織像から行う分類は全く役に立たず,内視鏡分類でなければならない.また,切除材料で表現しようとする場合,試料の取り扱い方(挫滅,機械的損傷,固定の際の諸条件)によって,形は著しく変化してしまうからである.
これらの病変のうち,特に5mm以下の小さい病変はX線検査で描出することは技術的に難しい.テクニックのうえで難しいのみならず,X線撮影装置やフィルムの解像力にも限界がある.しかし,内視鏡検査であれば病変を色調の差として捉えることができるし,色素撒布によって境界,表面性状などの形態にコントラストをつけることもでき,X線検査よりもはるかに小さい病変でも診断できるという利点がある.
表面型(Ⅱ型)大腸腫瘍の形態分類を明確にしておかなければならない理由は2つある.第1は,このような病変に対する内視鏡治療の適応を決めるうえで,一定の尺度が必要であること,第2は,類似した病変も含めて,その組織発生の解明にも繋がる分類を作成しておかなければならないためである.特に,前者の目的に沿うためには,治療後に実体顕微鏡やルーペ組織像から行う分類は全く役に立たず,内視鏡分類でなければならない.また,切除材料で表現しようとする場合,試料の取り扱い方(挫滅,機械的損傷,固定の際の諸条件)によって,形は著しく変化してしまうからである.
これらの病変のうち,特に5mm以下の小さい病変はX線検査で描出することは技術的に難しい.テクニックのうえで難しいのみならず,X線撮影装置やフィルムの解像力にも限界がある.しかし,内視鏡検査であれば病変を色調の差として捉えることができるし,色素撒布によって境界,表面性状などの形態にコントラストをつけることもでき,X線検査よりもはるかに小さい病変でも診断できるという利点がある.
掲載誌情報