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今月の主題 表面型大腸腫瘍―肉眼分類を考える 主題 2.微小な腫瘍の肉眼分類について b.X線の立場から
微小大腸腫瘍の肉眼分類―X線所見の立場から
著者: 松川正明1 竹本達哉1 平嶋正直1 菊地和人1 中村浩之1 千葉俊哉1 山崎武志1 栗原稔1
所属機関: 1昭和大学附属豊洲病院消化器科
ページ範囲:P.71 - P.74
文献購入ページに移動微小な腫瘍病変の肉眼分類についてX線診断の立場から述べる前に,基本となる肉眼形態について述べたい.肉眼形態について大腸癌取扱い規約1)では早期癌の肉眼分類として記載されている.しかし,大腸の小さな病変の多くは内視鏡的に切除することにより治療が完了し,早期癌に限らず腫瘍を含めたX線・内視鏡所見の分類が臨床の場で要望されている.今回の検討で,微小な腫瘍とは一般的に0.5cm以下の病変を指している.腫瘍病変であると言うためには組織診断が必須である.肉眼分類について,切除標本と内視鏡所見・X線所見の対比に関して,内視鏡的粘膜切除術を行った症例を中心に検討した.
通常のポリペクトミー・hot biopsyの処置により組織所見は得られるが,切除標本から肉眼所見を対比することは客観的に難しい.そこで,今回,表面型で陥凹した病変の大きさは,粘膜切除術によって得られた標本で組織学的に認められた腫瘍の大きさとした.これらの内視鏡所見について検討し,それを踏まえてX線所見について検討した.
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