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文献詳細

雑誌文献

胃と腸29巻10号

1994年09月発行

文献概要

今月の主題 胃底腺領域の分化型癌 主題

胃底腺内に存在する分化型腺癌の病理学的特徴

著者: 下田忠和1 松岡美佳1 杉坂宏明2 池上雅博2 江頭由太郎3

所属機関: 1国立がんセンター中央病院臨床検査部 2東京慈恵会医科大学第1病理 3大阪医科大学第2内科

ページ範囲:P.997 - P.1007

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要旨 胃底腺内に存在する分化型腺癌19例,21病変についてその病理学的特徴の検討を行った.胃底腺内の分化型腺癌の頻度は胃癌全体で0.5%,胃底腺内の癌で4.1%であった.またこれらは平均年齢が53.2歳と若年性で,かつ男性に多い傾向がみられた.粘液形質からは胃型腺癌が7病変(33.3%),混合型腺癌が6病変(28.6%),腸型腺癌が8病変(38.1%)で,混合型を含め胃型形質を有した癌が62%を占めていた.組織学的に胃型形質を発現した癌は腺窩上皮型粘液を有することがほとんどで,この中には粘膜内で乳頭状あるいは絨毛状腺癌を示すものがあり,肉眼的には隆起性癌が特徴であった.このほか進行癌でも胃型形質を有した癌では粘膜がよく保持され,肉眼的に粘膜下腫瘍様形態を示す癌がみられたことが特徴であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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